高知城で‘材宝’を発見! 推定樹齢400年のイヌマキをご紹介

 自然界の偶然がいくつも重なり、400年の時を経て生まれた貴重なイヌマキがあるのをご存知でしょうか。針葉樹のイヌマキの幹から広葉樹のクスノキの幹が枝のように突き出ています。今も成長を続ける生きた標本は、高知城公園で見ることができます。
なぜこの貴重な財宝(珍奇木)が生まれたのか、詳しくは下記をご覧ください。
 
情報提供:緑サポーター 徳善政明さん
  • 梅の段から三ノ丸への通路中間の南東角、鐘撞堂(かねつきどう)下段にこの木はあります。
     
    【珍奇木の要旨】
    イヌマキ 胸高幹回り 3m 樹高 18m 樹齢(推定年)400年
    クスノキ 胸高幹回り 0.3m 樹高 4m 樹齢(推定年)100年
    クロガネモチ 
    胸高幹回り 1.3m 樹高 13m 樹齢(推定年)100年
  • イヌマキ内部を想像した絵図。
    イヌマキ胸高部にあった「横穴」に偶然侵入できたクスノキの種子が根を張り、今も樹木として成長中。そのクスノキはイヌマキの枝のように完璧に変身し、両樹木の結合部分は全く違和感がありません!

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なぜこの珍木が生まれたのでしょうか?

 おそらく約200年前にイヌマキの幹内部に空洞ができました。幹内部に通じる傷穴にこれまた偶然クスノキの種子が侵入することができ、偶然が重なり発芽した種子が成長できました。
 
偶然の重なりとは?
 発芽に必要な土壌または腐葉物があり、そこにクスノキの種子が風か、雨水か、小鳥や小動物により運ばれたか・・・偶然侵入することができました。そして、そこに定着し発芽しました。発芽した後、根が運よく空洞の壁を伝い地面まで到着できたのでしょう。
 その後、生育の必須条件である土壌・光・水・肥料すべてが空洞周辺で調達できたことにより、超奇跡的にクスノキが現在に至ることができました。(周辺の諸条件からの推測によります。)

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