2007年9月2日(日)〜9月8日(土)の6泊7日で開かれたセミナー。
 森から木の家を学び、木の良さを伝える将来の設計士の育成を目的として実施されました。

 このセミナーを行ったのは、「森の未来に出会う旅実行委員会」=現役の高知大学生有志10名です。
 実行委員長の井上将太さん達が企画した提案の中で、@木造建築を学べる場が少ない、A山に入り、山のこと(林業)を知る機会がない、B木材の流通が分からない、のことが記載されているのを見たとき、これらは当会のこれまでの取り組みの中で欠けていた重要な点であり、ぜひとも成功させ、次につなぐ必要があるとの強い思いが生まれ、この事業に対し助成を行いました。

 セミナーは山の学習と設計の学習の2部構成。
 [山の学習]では、座学、木を実際に伐る実習、林業関係の会社の見学。
 [設計の学習]では、高知県が全国に誇る設計士の方の講義や、実際に講師の方が設計した建築物の見学など、幅広く学びます。つまり、森から家ができるまでの過程がこの1週間に凝縮されています。

 現在、木材価格は安く、用材の自給率は約2割の日本。
 森林率全国1位の高知県でさえ、林業がおかれた状況は非常に厳しいままです。しかし、今回の研修場所である嶺北の杉はかつて、大阪城築城の際に、吉野川から大阪城へ運ばれるほど、材としての品質が高いことで知られていました。
 その地で、地域との交流もかねて、若い力がすばらしいことやろうとしている。応援しない訳にはいけない。

 こうして始まったセミナー。場所は、長岡郡本山町の沢ヶ内小学校を中心に、いろいろな所への見学も織り交ぜています。今回のセミナーで、学ぶことと同時に嶺北を第2のふるさとにしてほしいという思いも込められています。
 その様子の一部を、当会として視察した日を中心にご紹介します。
9月2日・初日
 いよいよスタートしました。開会式は長岡郡本山町にある沢ヶ内小学校。山に囲まれ、近くに美しい汗見川が流れる休校の校舎。座学のほとんどを学ぶ会場で宿泊もします。
 参加者は、建築学を学んでいる学生を中心に、北は東北大学から東京都や千葉県、熊本県の大学から参加。社会人として働いている方も含め19〜39歳の幅広い年齢の方が各地から18名集まりました。
 開会式では、実行委員長の井上さんが開会宣言。関係各者が挨拶をしたあと、「森の未来に出会う旅」の今回のコンセプトを実行委員である大学生が発表しました。参加した18名も自己紹介をしました。これから6泊7日の間、一緒に学ぶ仲間達です。
▲井上君のプレゼン ▲参加者一同 ▲最初の発案者田岡さんの乾杯の音頭で交流会が始まった
 開会式終了後、地元の人や関係者も交えた交流会が行われました。初めて出会った者同士で、話ながら、1日目の夜は楽しく更けていきました。
9月6日・4日目
 午後から研修に参加しました。
 受講生のみなさんはずいぶんとうち解けていました。
 それにしても、今年は9月に入っても暑い。残暑が厳しい中で扇風機を回しながら受講していました。
▲入口にある手作り案内板 ▲座学等を行う体育館 セミナーを知らせる案内が壁に張っています ▲沢ヶ内小学校(休校中)
今回の宿泊所です
 午後最初の講義は、山本長水氏。「土佐派の家」評価曼陀羅という表を用いて、長寿命、自然共生、省エネルギー、省資源・循環、継承という観点から話をいただいた。とても90分では足りない「土佐派の家」の第一線の話を聞きました。
▲山本長水氏 ▲受講生の質問に答える
 そして、本山町の現在建築中のJAの建物を見学。
 この建物の設計者である聖建築研究所の山本恭弘氏に、説明いただき、作業を中断していただいている中、ヘルメットをかぶり、中に入れていただきました。木をふんだんに使った様子がよく分かり、各所をじっくり見たり、写真に撮影。山本さんに質問をしていました。
▲山本氏の説明 ▲中に入ると随所に木が使われていることが分かる
 その後、山本恭弘氏が設計した個人の家を見て、プレカット工場へ移動。
 木が山積みになっている工場の中、井上利和氏に、柱の入れ方を手作業で見せていただきました。今は、機械化が進み、井上さん自身も最近はあまりしないという作業に、受講生のみなさんが食い入るように見ていました。
 次に、土佐漆喰について、実際に左官さんに説明していただきました。高知県の漆喰は粉末でなく、半生状態である。100年経っても再利用できると聞いて、資源の循環という観点からも非常に優れた素材であることに感心していました。
▲説明を聞く受講生 ▲「のみ」で不要な所を落とす ▲昔はこの作業=「はつり」が一番大変だった。使っている手斧(ちょうな)は最近ではほとんど使われない。
▲土佐漆喰 ▲実際に塗ってみる参加者
掲載日:2007年9月26日
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